この条例が制定されたのは一重に、九州大学名誉教授の斎藤文男先生のご指導を頂いたたまのもであり、まずは紹介方々御礼を申し上げます。
ことの始めは、平成18年3月27日に誕生したばかりの嘉麻市の大谷議長が、総務委員会・議会運営委員会に対し「全国でも厳しいといわれるような政治倫理条例を議員提案で制定すべく」と諮問をし、同合同委員会がたたき台を提案したことから起こりました。
私は、碓井町時代から政治倫理条例を策定すべきと、執行部に対して働きかけてきましたし、また、斎藤先生の政治倫理条例のつくり方(自治体研究者発行)を勉強してきました。
その関係で、このたたき台があまりにも異質であったため
・・・以下簡単に内容を紹介・・・
1.「資産報告書提出の条項がない」
2.「市長等や議員の市工事等に関して請負を辞退しようという遵守事項」が、「市が請け負わせすことはできないと禁止事項」
になっている点です。
自分としてはこの内容では納得いかず、これでいいのかどうかの判断がつきません。
迷った結果、平成18年7月24日に、まったく面識もなく伝もない、先ほどの著者である斎藤先生にアドバイスがいただけないか直接ご連絡したわけです。
先生は、私の申し出に対し嫌がるわけでもなく、面倒くさがるわけでもなく、資料を送付するよう申し出くださいました。
お言葉に甘えて資料を送付いたしましたが、早速、懇切丁寧な解説付で添削された内容が返ってきたのです。
この添削されたものを、議員有志や議会事務局、また文教委員会全員にも配布し読んでいただきました。
その結果、総務委員会・議会運営委員会でかなりな部分が取り上げられ、今日の制定になりました。
ただ唯一残念なことは市の禁止事項がそのままだったことです。
しかし曲りなりにも、政治倫理条例が議員提案で成立しました。
このことは斎藤先生のおかげであり御礼を尽くしても尽くしきれません。
日々お忙しいでしょうけど先生のご好意にはまったく頭の下がる思いです。嘉麻市民4万7千人に成り代わり、御礼を申し上げます。ありがとうございました。
嘉麻市政治倫理条例
(斎藤先生の指導で2006年9月28日成立した分)
目次
第1章 目的及び責務(第1条―第4条)
第2章 政治倫理基準(第5条―第7条)
第3章 資産等報告書(第8条―第9条)
第4章 審査請求及び審査機関(第10条―第16条)
第5章 違反の措置(第17条−第23条)
第6章 雑則(第19条)
附則
第1章 目的及び責務
(目的)
第1条 この条例は、嘉麻市(以下「市」という。)の市長、助役,教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が地方自治の本旨に則り、市民全体の奉仕者として政治倫理の確立に努め、卑しくもその権限又は地位による影響力を不正に行使して、自己及び親族又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい理解をもち、もって公正で開かれた民主的な市政の運営を確保することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自ら進んでその高潔性を実証しなければならない。
(市民の責務)
第3条 市民は、主権者として自らも公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させる働きかけを行ってはならない。
(職員の責務)
第4条 職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。以下「職員等」という。)は、市民全体の奉仕者としての責務を自覚し、本条例の趣旨を尊重し、不正又は不当な働きかけを受けないものとし、不正又は不当な働きかけがあった場合は、別に定める職員倫理規定に基づき、速やかに市長に報告しなければならない。
第2章 政治倫理基準
(市長等及び議員の遵守事項)
第5条 市長等及び議員は、第2条の責務に照らし、市民全体の奉仕者として公共の利益を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して自己又は特定の個人若しくは団体の利益を図るなど、不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしてはならず、次に掲げる各号を遵守し、その権限又は地位による影響力を行使することによって職員等の適正な職務執行を妨げてはならない。
(市の禁止事項)
第6条 市は、次の各号の掲げる企業及び法人その他の団体(県、国及び他の地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)と請負契約を締結し、又は指定管理者の指定をしてはならない。ただし、市が出資する公益法人を除く。
(公職等の就任)
第7条 市長等及び議員は、市の機関の公職に就任するに当たり、次の各号に抵触する行為をしてはならない。
第3章 資産等報告書
(資産等報告書の提出義務)
第8条 毎年5月1日現在、現にその職にある市長等及び議員は、1月1日現在の資産、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与、税等の納付状況を記載した報告書(以下「資産等報告書」という。)を作成し、毎年6月15日から同月31日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
(資産等報告書の記載事項)
第9条 資産等報告書には、次の各号に掲げる事項を記入しなければならない。
(審査会の設置)
第10条 この条例による政治倫理の確立を図るため、法第138条の4第3項の規定に基づき嘉麻市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(審査会の職務及び権限)
第11条 審査会は、資産等報告書の提出、政治倫理基準に反する行為をした疑いがある場合又は第15条に定める住民の審査請求があった場合は、審査を実施し、その審査結果を市長に回答するものとする。
(資産等報告書の審査)
第12条 議長は、第8条の規定により提出された議員の資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、市長等の資産等報告書の写しとともに、これを毎年7月15日までに審査会に提出し、審査を求めなければならない。
(資産等報告書及び意見書の閲覧)
第13条 市長は、前条第2項の規定により提出された意見書を提出された日から15日以内に市民の閲覧に供するとともに、その要旨を市広報等に速やかに掲載しなければならない。
(会議及び委員の義務)
第14条 審査会の会議は、原則として公開とする。ただし、必要により非公開とするとき又は審査結果に利害を有する者の傍聴の許可は、出席委員の3分の2以上の同意を要する。
2 委員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も同様とする。
(市民の審査請求権)
第15条 市民は、第4条、第5条、又は第6条及び第7条に違反する行為と認められる事案を知ったとき、あるいは資産等報告書に疑義があるときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の者の連署を持って、これを証するもの又はその根拠となる理由を資料として添付し、市長等に係る事案については議長に、議員に係る事案については市長に、調査請求することができる。
第5章 違反の措置
(政治倫理基準に関する措置)
第17条 審査の結果、審査会において第4条、第5条、又は第6条及び第7条の規定に違反、若しくは資産等報告書に虚偽があるとの結果が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。
(その他政治倫理基準に反する行為に関する措置)
第18条 その他この条例に定める政治倫理基準に反する行為をした疑いがある場合は、市長は、審査会に調査を依頼しなければならない。
(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第19条 市長等または議員が、刑法第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪及び公職にあるもの等のあっせん行為等による利得等の処罰にかんする法律(平成12年法律第130号)第1条その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第20条 市長等又は議員が職務関連犯罪による起訴後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めなければならない。
(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)
第21条 前条の規定は、市長等または議員が同条の罪による有罪判決の宣告を受け、なお引続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。
(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第22条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する住民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。
(逮捕後の給与、報酬の支払いについて)
第23条 職務関連犯罪の容疑による起訴後、市長等又は議員が、なお引続きその職にとどまっている場合において、起訴された日から失職又は辞職するまでの間、支給されるべき給与又は報酬は、供託するものとする。
第6章 雑則
(委任)
第24条 この条例に定めるほか、この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条第4号の規定は交付の日から1年を経過した日の翌日から施行する
(検討)
2 この条例の施行後2年以内に、、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
斎藤先生からご指摘ご指導受けた点。
1.資産公開条項を設置すること。
2.政治倫理基準の定義をすること。
3.職員倫理条例を別立てで策定すること。
4.市民と住民の使い分け。
5.法人の定義。
6.主語の後に「、」を打つこと。
7.下請の定義。
8.市長等と議員等が遵守事項とすべきところ、市の禁止事項で処理することの可否。その問題点。
など都合5回添削修正(主なものだけを掲載)していただきました。
嘉麻市政治倫理条例(案)
(初期に議員提案された分)
目次
第1章 目的及び責務(第1条―第3条)
第2章 遵守事項(第4条―第6条)
第3章 審査請求及び審査機関(第7条―第11条)
第4章 違反の措置(第12条―第18条)
第5章 雑則(第19条)
附則
第1章 目的及び責務
(目的)
第1条 この条例は、嘉麻市(以下「市」という。)の市長、助役,教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が地方自治の本旨に則り、住民全体の奉仕者として政治倫理の確立に努め、卑しくもその権限又は地位による影響力を不正に行使し、自己及び親族又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する住民の信頼に応え、住民が市政に対する正しい理解をもち、もって公正で開かれた民主的な市政の運営を確保することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、住民に対し自ら進んでその高潔性を実証しなければならない。
(市民の責務)
第3条 市民は、主権者として自らも公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その権限又は地位による影響力を不正に行使させる働きかけを行ってはならない。
第2章 遵守事項
(市長等及び議員の遵守事項)
第4条 市長等及び議員は、第2条の責務に照らし、住民全体の奉仕者として公共の利益を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して自己若しくは特定の個人又は団体の利益を図るなど、不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしてはならず、次に掲げる各号を遵守し、その権限又は地位による影響力を行使することによって職員(臨時職員及び嘱託職員を含む。以下「職員等」という。)等の適正な職務執行を妨げてはならない。
(市の禁止事項)
第5条 市は、次の各号の掲げる企業と請負契約を締結し、又は指定管理者の指定をしてはならない。
(公職等の就任)
第3章 審査請求及び審査機関
(審査会の設置)
第7条 この条例による政治倫理の確立を図るため、法第138条の4第3項の規定に基づき嘉麻市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(審査会の職務及び権限)
第8条 審査会は、政治倫理基準に反する行為を行った疑いがある場合又は第10条に定める市民の審査請求があった場合は、審査を実施し、その審査結果を市長に通知するものとする。
(会議及び委員の義務)
第9条 審査会の会議は、原則として公開とする。ただし、必要により非公開とするとき又は審査結果に利害を有する者の膨張の許可は、出席議員の3分の2以上の同意を要する。
(住民の審査請求権)
第10条 住民は、第4条、第5条又は第6条に違反する行為があると認められる事案を知ったときは、法第18条に定める選挙権を有する者の30人以上の者の連署を持って、これを証するもの又はその根拠となる理由を資料として添付し、市長等に係わる事案については議長に、議員に係わる事案については市長に、審査請求をすることができる。
(審査請求の処理)
第11条 審査会は、前条第2項の規定による審査請求書の送付を受けたときは、送付された費から60日以内に市長に審査結果を文書により通知しなければならない。ただし、60日以内に審査が終了しないときはその理由を付して市長に、文書により審査期限の延長を求めなければならない。この場合において、審査期限の延長は30日以内とする。
第4章 違反の措置
(遵守事項違反に関する措置)
第12条 審査の結果、審査会において第4条、第5条の規定に違反しているとの結果が出た場合は、市長は、その旨を市広報等で公表するものとする。
(その他政治倫理基準に反する行為に関する措置)
(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第14条 市長等又は議員が、刑法第197条から第197条の4までの各条または第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長若しくは審査会の会長(以下「会長」という。)に住民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第15条 市長等又は議員が職務関連犯罪による起訴後、引続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議員若しくは会長に、住民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。
(職務関連犯罪による有罪判決後の説明会)
第16条 前条の規定は、市長等又は議員が同上の罪による有罪判決の宣告を受け、なお引続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。
(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)
第17条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置をとるものとする。
(逮捕後の給与、報酬の支払いについて)
第18条 職務関連犯罪の容疑による起訴後、市長等又は議員が、なお引続きその職にとどまっている場合において、起訴された費から失職又は辞職するまでの間、支給されるべき給与又は報酬は、供託するものとする。
第5章 雑則
(委任)
第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)